マイクロ法人の設立前に決める9項目|freeeで作る前のチェックリスト

マイクロ法人の設立前に決める9項目|freeeで作る前のチェックリスト

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会社員という働き方を一度たたみ、自分の法人を持つ ── 氷河期世代の私にとっては、ずいぶん遠回りした先にようやくたどり着いた選択でした。それでも、いざ「マイクロ法人を作る」と決めてから手を動かすまでに、先に決めておくべきことが思った以上にありました。

設立の手続きそのものは、会社設立サービスを使えばかなり進めやすくなっています。つまずくのはむしろ「手続きに入る前の決めごと」のほうでした。商号や事業目的、資本金、本店をどこにするか ── ここを曖昧なまま申込画面に進むと、途中で手が止まったり、あとから直すのに費用がかかったりします。

この記事では、私が合同会社を作る前に実際に固めた9項目を、チェックリスト形式でまとめます。「そもそもなぜマイクロ法人なのか」という全体像は、マイクロ法人と個人事業主の二刀流とは?で解説しているので、あわせてどうぞ。

また、私がマイクロ法人を設立するに至った理由は、51歳・独身、マイクロ法人FIREという答えにまとめています。あわせてご確認ください。

目次

なぜ「設立前」に決めておくのか

設立後に変更しようとすると、登記のやり直しや変更登記が必要になり、そのたびに登録免許税などの実費と手間がかかります。とくに事業目的商号本店所在地は、あとから変えると費用が発生する代表格です。

逆に言えば、ここをひととおり決めてしまえば、freeeの会社設立サービスは画面の案内に沿って入力するだけで進みます。手続きで迷わないために、まず「決めごと」を先に片づけておくのがおすすめです。

会社設立サービスは、マネーフォワード等でも存在します。会計ソフトに何を使うかを考慮して選ぶことをおすすめします。

なお、ここで挙げる項目はどれも、突き詰めれば一本の記事になるくらい奥があります。この記事ではまず決めるべき全体像を一望できるようにし、特に掘り下げたい項目は個別の記事でくわしく扱っていきます。気になったところから、そのまま深掘りに進めるように作っていきます。

設立前チェックリスト9項目

1. 法人の形態 ── 合同会社か、株式会社か

最初の分かれ道が法人の形態です。私は合同会社を選びました。理由は、株式会社より設立費用が安いこと、公証役場での定款認証が不要なこと、そしてひとり社長なら意思決定が速いことの3つです。

対外的な信用や将来の資金調達を重視するなら株式会社という選択もありますが、少なくとも、ひとりで運営する資産管理・小規模事業寄りのマイクロ法人という私の用途では、合同会社で十分だと感じました。

2. 商号(会社名)── 申込の前に固めておく

会社名は、印鑑の発注やドメイン取得、申込フォームへの入力すべての起点になります。後回しにすると一気に手が止まるので、早めに決めておきたい項目です。

決めるときに見ておきたいのは、同じ住所に似た商号がないか、使いたいドメインが空いているか、口に出したときに伝わりやすいか、あたりです。私はここを先に固めてから、法人印鑑の発注に進みました。

すでに登記されている商号はこちらのサイトで確認できます。

私はドメイン取得はエックスサーバー、法人の印鑑は楽天で購入しました。

3. 事業目的 ── 今やること+将来やるかもしれないことを広めに

意外と悩むのが事業目的です。ここで私が意識したのは、あとから追加すると変更登記の費用がかかるので、最初に広めに書いておくことでした。

実際、私は思いつく事業をいったん全部書き出してから、最大公約数的に絞り込みました。資産運用やシステム開発、Webライティング・集客支援、ブログ・情報発信 ── いま手がけている事業に加えて、「将来やるかもしれないこと」まで含めて広めに記載しています。やらなくても問題はありませんが、やりたくなったときに目的が入っていないと、変更登記の費用がかかって面倒です。

ただし、あまりに事業目的を広げすぎると、法人口座開設や取引先審査で事業内容を説明しづらくなることがあります。将来やる可能性があるものを入れつつも、自分の事業の軸から大きく外れない範囲に整理するのが現実的です。

こちらは定款に記載した事業内容です。

合同会社の定款の事業内容

4. 資本金 ── いくらにするか

資本金は1円からでも設立できますが、対外的な信用や、許認可が必要な事業での要件も意識して決めます。私は100万円にしました。

合同会社の資本金は100万円

費用面で知っておきたいのは、登録免許税は「資本金 × 0.7%」か「6万円」の高い方という点です。資本金がおよそ857万円までは一律6万円なので、100万円なら登録免許税は最低額の6万円で済みました。資本金を大きくしすぎると登録免許税が増える、という関係は先に押さえておくと安心です。

5. 本店所在地 ── 自宅か、バーチャルオフィスか

ここは慎重に決めたいところです。本店所在地は登記簿に記載され、誰でも閲覧できます。自宅をそのまま本店にすると、自宅住所が公開される点は理解しておく必要があります。

私はこれを避けたかったので、バーチャルオフィス(私はレゾナンスを利用しています)を契約し、その住所を本店所在地としました。月額の費用はかかりますが、自宅住所を出さずに済むこと、法人口座の開設や郵便物の転送に対応してもらえることがメリットでした。プライバシーを重視するなら、検討する価値のある選択肢です。バーチャルオフィスの選び方や契約の流れ、実際にかかった費用は、いずれ単体の記事でくわしく取り上げる予定です。

なお、住所の表記(全角・半角、スペースの有無)は、登記の段階で表記の一致を厳密に求められます。最初から正式表記を控えておくと、後の手続きで手戻りがありません。

詳しくは、freee会社設立で合同会社を作る全手順に記載していますので、合わせてご確認ください。

6. 決算月 ── いつ締めるか

決算月は自由に決められます。設立月から最長で1期を取れるよう設定する、繁忙期と決算作業が重ならないようにする、といった観点で選びます。消費税の免税期間との兼ね合いもあるため、ここは事業の動き方に合わせて決めるのがよいでしょう。

7. 役員報酬 ── いくらにするか

自分への役員報酬をいくらにするかは、社会保険料と税金の両方に効く、マイクロ法人の肝です。原則として期の途中で自由には変えられない(定期同額給与)ため、設立前のシミュレーションが重要になります。

私は社会保険料の負担と将来の厚生年金のバランスを見ながら、設立時は月45,000円という最低水準に設定しました(その後の見直しで、現在は54,000円にしています)。いくらにして、なぜその額なのか ── 考え方の詳しい中身は、マイクロ法人の役員報酬はいくら?にまとめています。

8. 社会保険 ── 法人は加入が必須

法人を作ると、社長ひとりであっても社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が原則必須になります。これは「決める」というより「必ず発生するもの」として、設立前に織り込んでおく項目です。

なお、役員報酬をゼロにすると社会保険料を納める原資がなくなり、実務上の扱いが変わるため、社会保険加入を前提にするなら役員報酬の設定もセットで考える必要があります。

個人事業主の国民健康保険・国民年金から、法人の社会保険へ切り替えることで、保険料の最適化や将来の年金の上乗せが狙えます。この二刀流ならではの設計は、なぜマイクロ法人だと社会保険料が下がるのか?で解説しています。

9. 会計ソフトと法人口座 ── 設立後すぐ必要になる

最後に、設立直後から必要になるものも先に決めておくと慌てません。私は会計をfreee会計でそろえているので、設立も同じfreeeに統一しました。普段使っている会計ソフトに合わせて選ぶと、データの連携で楽になります。ちなみに私は法人をfreee、個人をマネーフォワードと使い分けていて、その理由や使い心地の違いも別記事でまとめる予定です。

法人口座は設立後(登記完了後)でないと開設できませんが、どの銀行にするかは先に当たりをつけておくとスムーズです。ただしネット銀行は法人口座の審査基準が分かれます。私自身、ある銀行では審査に通らず、別の銀行で開設できました ── この経緯は別記事でくわしくまとめる予定です。

決まったら、freeeで作る

ここまでの9項目が固まれば、あとは手続きを進めるだけです。私は税理士や司法書士に頼らず、freeeの会社設立サービスを使って自分で合同会社を立ち上げました。

実際の入力手順や、住所表記・期限など私がつまずいた点は、freee会社設立で合同会社を作る全手順に時系列でまとめています。この記事のチェックリストで「決めごと」を固めてから読むと、手続きで迷う場面がぐっと減るはずです。

なお、freee会社設立を実際に使ってみて楽だった点・分かりにくかった点といった「使い心地」のレビューも、手順とは別にまとめる予定です。「自分でできるのか不安」という方は、そちらもあわせて読めるようにしていきます。

まとめ

マイクロ法人の設立は、手続きそのものより「設立前の決めごと」で差がつきます。

  • 法人の形態・商号・事業目的・資本金・本店所在地は、あとから変えると費用がかかるので先に固める
  • 事業目的は広めに、本店は登記簿で公開される点を踏まえて決める
  • 役員報酬と社会保険は、節税と社保最適化の肝なので設立前にシミュレーションする

派手な裏ワザではなく、こうした地味な決めごとを一つずつ片づけていくことが、結局はいちばんの近道でした。仕組みを先に整えておけば、あとは手を動かすだけです。

そして、作ったあとに毎年かかる維持費(法人住民税の均等割・社会保険・バーチャルオフィス代など)も、「そもそも作るべきか」を判断する材料として別記事で整理していきます。この記事を入口に、気になった項目から一つずつ深掘りしてもらえればと思います。

このチェックリストを「どう考えて決めたか」という決断の裏側は note に書きました。

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参考(公的機関の一次情報)

免責表記

本記事は運営者個人の体験・見解を記録したものであり、特定の金融商品・税務判断・投資手法を推奨するものではありません。実際のFIRE設計・法人設立・税務処理にあたっては、税理士・社労士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。投資判断は自己責任でお願いします。

マイクロ法人の設立前に決める9項目|freeeで作る前のチェックリスト

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この記事を書いた人

51歳・独身、千葉県在住。
マイクロ法人×個人事業主の二刀流で、おひとりさまの人生後半戦を設計中。
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