自宅を本店にしない|マイクロ法人がバーチャルオフィスで会社を作った流れ

自宅を本店にしない|マイクロ法人がバーチャルオフィスで会社を作った流れ

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マイクロ法人を作るとき、意外と早い段階でぶつかるのが「本店をどこにするか」という問題です。会社の登記には住所が要りますが、その住所は登記簿に載り、誰でも取得できてしまいます。

私は自宅を本店にせず、バーチャルオフィスを借りて、その住所でマイクロ法人(合同会社)を設立しました。この記事では、なぜ自宅を選ばなかったのか、どう選んだのか、そして申込から契約・法人切り替えまで実際にどう進んだのかを、当時の記録そのままにお話しします。

サービスの料金や手続きは変わることがあります。以下は私が契約した時点(2024年12月)の体験談です。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。

目次

なぜ自宅を本店にしなかったのか

マイクロ法人の場合、本店所在地として真っ先に候補になるのは自宅です。お金もかからず、いちばん手軽に見えます。それでも私が自宅を選ばなかった理由は、主に次の3つでした。

  • 登記住所は公開される ── 会社の本店所在地は登記簿に記載され、手数料を払えば第三者でも取得できます。自宅にすると、自宅の住所が「会社の住所」として外に出ていきます。できるだけリスクを回避したい私にとって、これは避けたいことでした。
  • 賃貸契約・分譲規約との兼ね合い ── 賃貸物件や分譲マンションでは、居住用の住所を事業の本店として使うことが規約上ふさわしくないケースがあります。
  • 対外的な信用 ── 取引先やサービスの登録で住所を出す場面は意外と多く、事業用の住所を一つ持っておくほうが動きやすいと考えました。

自宅以外の選択肢としては、賃貸オフィス・レンタルオフィス・バーチャルオフィスがありますが、マイクロ法人で固定費を抑えたい私には、月数百円〜数千円で住所を借りられるバーチャルオフィスが現実的でした。

バーチャルオフィスの選び方 ── 私が見たポイント

バーチャルオフィスといってもサービスは数多くあります。私が比較したときに見たのは、おおむね次の点です。

  • 月額・初期費用 ── 固定費なので、マイクロ法人では効いてきます。
  • 法人登記に使えるか ── 住所貸しだけで登記不可のプランもあるため、ここは必ず確認します。
  • 郵便物の転送・受け取り ── 法人宛の郵便を、どう受け取れるか。
  • 対応エリア・住所の印象 ── 都心の住所が使えるサービスが多いです。
  • 銀行口座開設の優待ルートがあるか ← 申込先の選択肢の一つになりました。

最終的に私はレゾナンスというバーチャルオフィスを選びました。決め手は、法人登記に対応していること、料金が抑えめだったこと、そして提携銀行への口座開設の優待ルートが用意されていたことです。

申込から契約まで ── 実際の流れ

ここからは、私が実際にたどった流れです。思っていたより本人確認がしっかりしていて、数日で完了しました。

申込当日 ── ネットで申込

申込フォームから必要事項を入力して送信します。ここはオンラインで完結しました。

レゾナンス申し込み画面

翌日 ── 電話での確認と本人確認

翌日、バーチャルオフィスから電話がかかってきました。内容は以下の通りです。

  • 簡単な申込内容の確認、およびバーチャルオフィスの説明、本人確認、入金の案内
  • 銀行の申込は法人設立後、必要な書類を提示する模様
  • 郵便物の店舗受け取りは事前に連絡が必要とのこと

本人確認はスマホ(iPhone)で完結しました。自分の顔写真と身分証明書を撮影して送るオンライン本人確認(eKYC)です。あわせて、初期費用の請求書とクレジットカード登録の案内がメールで届きました。
こちらは、入会金、1年払いコース、初回デポジット等を含んだ金額となります。

レゾナンス請求書

その翌日 ── ID・パスワード発行、契約完了

本人確認が通ると、契約完了です。専用サイトのログイン情報(ID・パスワード)が発行され、ここから郵便物の受け取り予約などを管理できるようになります。

申込から契約完了まで、実質3日ほど。電話以外はオンラインで進められたので、働きながらでも無理なく手続きできました。

個人契約 → 法人契約への切り替え

ここが、バーチャルオフィスならではのひと手間です。

会社を設立する前は、当然まだ法人が存在しないので、最初はあくまで個人として契約します。そのうえで、

  1. その住所を本店として記載し、合同会社を設立(登記)する
  2. 登記が完了したら、履歴事項全部証明書(登記簿)を取得する
  3. それをバーチャルオフィスにメールで提出し、個人契約から法人契約へ切り替える

という順番になります。私の場合は、設立後に取得した履歴事項全部証明書をPDFで送り、数日で法人契約への切り替えが完了しました。

ポイントは、「先に住所を借りてから会社を作る」という順番になることです。本店所在地が決まらないと登記の書類が作れないので、バーチャルオフィスの契約は設立準備のかなり早い段階で済ませておくと、その後がスムーズです。

オンラインで取得できる登記情報(登記情報提供サービスの画面など)は、正式な証明書として受け付けてもらえないことがあります。私の場合も、法務局発行の履歴事項全部証明書の提出が必要でした。

バーチャルオフィスが法人口座の開設にもつながった

もう一つ、契約してから分かった効用があります。バーチャルオフィスの優待ルートが、法人口座の開設で効いたかもしれません。私の場合、この経由で申し込んだ銀行で口座を開設できました。審査への影響は分かりませんが、設立直後に申込先の選択肢を確保できた点では役立ちました。

設立直後の私は、ネット銀行3行に同時に申し込んで2行落ち、住信SBIネット銀行の1行だけが通りました。その通った1行が、まさにレゾナンスの優待ルートから申し込んだものだったのです。

設立したて・売上ゼロ・代表者ひとりという、銀行から見ていちばん「実態が読みにくい」会社でした。そんな会社にとって、バーチャルオフィス側が用意した提携ルートは、地味ですが役立つ一手でした。法人口座の審査でどう落ちてどう通ったのかは、マイクロ法人の法人口座は2行落ちたの記事に詳しくまとめています。

バーチャルオフィスの注意点

便利な一方で、向き不向きもあります。私が感じた注意点も正直に書いておきます。

  • 許認可が必要な業種では使えないことがある ── 士業や人材派遣など、実体のある事務所が要件になる業種では、バーチャルオフィスの住所では許認可が下りないことがあります。
  • 同じ住所を他社も使っている ── 住所で検索すると同じ住所の会社が複数出てくるため、気にする取引先もいます。
  • 郵便物にタイムラグがある ── 転送・店頭受け取りには締め日や手数料があり、即日というわけにはいきません。これは実際に一度ヒヤリとさせられたので、次の章で詳しく書きます。

私の事業では、許認可や住所の重複はとくに支障になりませんでした。自分の事業が許認可業種にあたらないかだけは、契約前に確認しておくと安心です。

ただ一つ、郵便物のタイムラグだけは、設立してまもない頃に実際にヒヤリとさせられました。

社会保険料の納付書が、転送を待つと期限に間に合わなかった

法人事業所は、事業主のみの場合を含めて原則として社会保険の適用対象です。私のように役員報酬を受ける代表者は、通常、健康保険・厚生年金保険の加入対象になります。すると毎月、日本年金機構から納入告知書(納付書)が郵送されてきます。納付期限は、その月の分を翌月末まで。当然この納付書も、本店であるバーチャルオフィス宛に届きます。

ところが、私が契約していたバーチャルオフィスの通常の郵便転送は、週に1回まとめてという運用でした。締め日があるので、届いた郵便がすぐ手元に来るわけではありません。
以下、レゾナンス公式サイトより引用です。

レゾナンス転送スケジュール

その結果、月末が納付期限の納付書がバーチャルオフィスに届いてから次の転送日を待っていると期限に間に合わないという事態に直面しました。社会保険の納付リズムにまだ慣れていなかったこともあり、気づいたときにはかなりギリギリでした。

このときは、バーチャルオフィスの即時転送オプション(有料・1通あたり数百円の追加料金)を使い、その納付書だけ個別に送ってもらって、なんとか間に合わせました。

教訓として、その後は社会保険の納付を口座振替に切り替えました。口座振替や電子納付にしてしまえば、紙の納付書が手元に届くのを待つ必要がなくなり、転送ラグに振り回されることがなくなります。社会保険の口座振替については別の記事で解説予定です。

バーチャルオフィスを本店にするなら、社会保険料や税金など期限のある支払いは、できるだけ口座振替・電子納付に寄せておくのがおすすめです。どうしても紙で受け取るものは、即時転送オプションの料金もコストとして織り込んでおくと安心です。

まとめ

マイクロ法人の本店をどこにするかは、最初に決める割に後から変えにくい項目です。私は自宅住所を公開したくなかったこと、固定費を抑えたかったことから、バーチャルオフィス(レゾナンス)を選びました。

  • 申込はオンライン+スマホ本人確認で、実質3日ほどで契約完了
  • 設立前は個人契約 → 登記後に履歴事項全部証明書を出して法人契約へ切り替え
  • 「先に住所を借りてから会社を作る」順番になるので、設立準備の早い段階で契約しておく
  • 優待ルート経由で法人口座の申込先の選択肢を確保できた

バーチャルオフィスの契約は、マイクロ法人を「作る」工程の入口のひとつです。設立前に決めておくこと全体は、こちらのチェックリストにまとめています。

会社設立そのものの手順は、freee会社設立で実際にやった記録をどうぞ。

バーチャルオフィスについて考えた過程はnoteにまとめています。こちらも合わせてご確認ください。

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参考(公的機関の一次情報)

免責表記

本記事は運営者個人の体験・見解を記録したものであり、特定の金融商品・税務判断・投資手法を推奨するものではありません。実際のFIRE設計・法人設立・税務処理にあたっては、税理士・社労士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。投資判断は自己責任でお願いします。

自宅を本店にしない|マイクロ法人がバーチャルオフィスで会社を作った流れ

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この記事を書いた人

51歳・独身、千葉県在住。
マイクロ法人×個人事業主の二刀流で、おひとりさまの人生後半戦を設計中。
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